怒りは「突然わき上がるもの」「勝手に爆発するもの」だと思いがちですよね。でも、アドラー心理学ではその考えを大きくひっくり返します。
アドラーは、
「感情は目的のために生まれる」
と考えました。これが有名な“目的論”です。
人は怒ることで、次のような目的を叶えようとします。
- 相手を黙らせたい
- 自分の意見を通したい
- 傷つかないように自分を守りたい
つまり怒りは、
「感情に支配されている」のではなく、
“自分が無意識に怒りを選んでいる”
ということなんです。
この視点を持つだけで、「怒りに振り回される自分」から一歩抜け出せます。
怒りとの距離が、グッと遠くなるはずです。
<目次>
- 怒りっぽい人が抱えている3つの心理パターン
- 怒りが爆発する前にできる「予防型」コントロール法
- 怒りが湧いた瞬間に使える「即効型」コントロール法
- 怒りに振り回されない人が実践している根本改善習慣
- まとめ
怒りっぽい人が抱えている3つの心理パターン
怒りっぽい人には、実は共通する心理パターンがあります。
アドラー心理学では、これらのパターンが“怒りという目的”を生み出すと考えます。
①自分を守るための怒り
本当は傷つくのが怖い。
でも弱いところを見せるのはもっと怖い。
その結果として、人は“怒り”という鎧を身にまといます。
怒ったほうが、
・弱さを隠せる
・相手から距離をとれる
そんな「防衛の目的」が働いているんですね。
②相手をコントロールしたい怒り
怒ることで相手を動かそうとするタイプです。
・思いどおりにしてほしい
・自分の正しさを認めてほしい
・謝ってほしい
こんな欲求が強いほど、怒りは大きくなります。
怒りが“力”として使われている状態です。
③劣等感から生まれる怒り
「自分は劣っている」という思いが強い人ほど、怒りやすくなります。
・自分のミスを指摘されると爆発する
・他人と比較して落ち込む
・ちょっとした言葉に反応してしまう
これは、心の奥にある“自分への攻撃”を避けるため。
怒りでフタをすることで、劣等感を見なくて済むわけです。
怒りっぽさは性格ではなく、
目的のために身につけた“反応のクセ”
だと知っておくと、コントロールしやすくなります。
怒りが爆発する前にできる「予防型」コントロール法
怒りは爆発する前に“予兆”があります。
そのサインに気づけるだけで、怒りの8割はコントロールできると言われています。
ここでは、アドラー心理学の目的論を踏まえた「予防テクニック」を紹介します。
①アンガーログで「怒りのクセ」を見える化する
怒った場面をメモするだけです。
・いつ
・誰に
・何に
・怒りの強さ
・怒りの目的は何だった?
これを続けると、自分のパターンがはっきり見えます。
「また同じ状況で怒ろうとしてるな」と気づけるようになります。
②身体反応で“怒りの前兆”をつかむ
怒りは体が先に反応します。
・肩が上がる
・心臓が速くなる
・呼吸が浅くなる
・顔が熱くなる
これに気づいたら、
「私、今怒りを“使おう”としてるんだな」
と認識するだけで冷静さが戻ります。
③自分に質問して目的を見抜く
怒りそうになったら、心の中でこう質問してください。
「私はこの怒りで、何を得ようとしている?」
目的がわかると、怒りは自然と弱まります。
目的論の最大のメリットはここにあります。
怒りが湧いた瞬間に使える「即効型」コントロール法
①科学的に効果的な“6秒ルール”
怒りのピークは6秒と言われています。
6秒だけ、意識を外に向けるだけでOKです。
・深呼吸する
・目を閉じる
・コップの水を飲む
これだけで怒りの波は大きく低下します。
②その場から距離を取る(最強の対策)
アドラー心理学的にも非常に有効です。
距離を取ることで「怒りを使う目的」を成立させないからです。
・席を立つ
・トイレに行く
・別室に移動する
これだけで怒りのストーリーが途切れます。
③ゆっくり息を吐くと自律神経が整う
怒りは交感神経が興奮している状態です。
長く吐く呼吸(4秒吸って8秒吐く)をすると、副交感神経が働き、落ち着きを取り戻します。
強い怒りでも数十秒で効果があります。
怒りに振り回されない人が実践している根本改善習慣
怒りを“一時的に抑える”だけでは、また繰り返します。
大切なのは、怒りを生みにくい体質になること。
アドラー心理学で言うところの「目的」を変えるイメージです。
①「怒りで得ようとしていた目的」を見直す
怒りを使って得ていたものを、別の方法で得られるようにします。
・相手を動かしたい → 伝え方を変える
・自分を守りたい → 自尊感情を高める
・分かってほしい → 対話に切り替える
目的が変われば、怒りは必要なくなります。
②劣等感と向き合う(怒りの根っこ)
アドラー心理学では、劣等感は成長の源です。
“悪者”にする必要はありません。
自分の足りなさを責めるのではなく、
「どう改善する?」という建設的な視点に変えるだけで、怒りは減っていきます。
③相手を変えようとしない(課題の分離)
アドラーの基本中の基本。
怒りの多くは“相手を動かしたい”が理由です。
しかし、相手の行動は相手の課題。
自分が変えられるのは自分だけです。
ここを理解すると、無駄な怒りは一気に減ります。
④小さな成功体験を積む
自己効力感が上がると、怒る必要がなくなります。
・できたことを1つ記録
・自分に優しい言葉をかける
・やらなくていいことを減らす
怒りは「自分に余裕がない時」に出やすい。
だからこそ毎日の小さな積み重ねが効いてきます。
まとめ
怒りは、ただの衝動ではありません。
アドラー心理学が教えてくれるように、怒りには必ず“目的”があります。
- 相手を動かしたい
- 自分を守りたい
- 劣等感を見たくない
こうした目的のために、私たちは無意識に怒りを選びます。
でも、目的が変われば怒りは必要なくなります。
この記事で紹介した
・予防
・瞬間対処
・根本改善
の3つを続けていくと、怒りに振り回されない生き方が少しずつ身についていきます。
怒らなくて済む毎日は、想像以上に軽やかです。
まずは小さな一歩から始めてみてくださいね。







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